リタイア後の悩みの一つに、「やりたいことが無い」というものがあります。
リタイア後は、自由な時間が増えますが、もし何もやりたいことが無いと、時間を持て余してしまいます。
FIREの目的がリタイアすることそのものであった場合、その先の生活をあまりイメージできず、こうした悩みを抱えてしまうことがあるようです。
そこで、実際にFIREを実現した人たちは、リタイア後、どのようなことに時間を使っているのか調べてみました。
既にFIREを実現されている先輩方の生き方を知ることによって、こうした悩みから逃れることができるかもしれない、と思っています。
退職後の3大不安とは?
FIREではなく、定年退職についてではありますが、退職後の3大不安として「お金、健康、生きがい」の3つが挙げられるそうです。
この3つの不安のうち、FIREを実現した人にとっては、生活費の25倍の資産があるわけですから、お金はあまり不安材料にはならないでしょう。
また、FIREは20~40代といった若い時期からのリタイアですので、健康面についても、定年退職した60代の人に比べれば、まだ不安は少ないと言えると思います。
一方で、生きがいについては、定年退職した人と同様に、FIREした人にもあてはまるものだと思います。
「自分は何がやりたいのか?」という生きがいが無いのに、時間だけがある人生だと、せっかくの自由な時間を無駄に浪費してしまうことになりかねません。
加えて、FIREを実現できる人は、独身か、もしくはDINKSであるケースが多く、また会社生活も無くなってしまうため、人生におけるイベントが少なくなりがちです。
生きがいや、やりたいことが無いと、リタイア後はどうしても単調な毎日になってしまいがちなようです。
FIREを実現している人は、どのようなことに時間を使っているのか?
それでは、実際にFIREを実現している人は、どのようなことに時間を使っているのでしょうか?
ブログやYouTubeでFIRE生活を発信している方々を調べてみました。
創作活動に打ち込む
FIREを実現した後、イラストや文章など、創作活動に打ち込む方は多いです。
創作活動というのは、地味な作業の積み重ねであり、時間がかかることが多いです。
そのため、FIREを実現して自由な時間を作り創作に打ち込む方が多いのでしょう。
28歳のときに900万でFIREを実現した、ひこすけさんは、FIREの実現後にイラストの作成やライトノベルの執筆に取り組まれています。
27歳のときに400万でFIREを実現した、ゆうすけさんは、kindleで「資産400万円の底辺FIRE」という電子書籍を配信されています。
また、APOLLONという独自ブランドを立ち上げて、太陽神をモチーフにしたデザインをあしらったマグカップやタンブラーを販売されています。
その他、FIREを実現されている方は、ブログやYouTubeにより情報発信されているケースは多いです。
30歳のときに1000万でFIREを実現した、ミクさんは、「30歳1000万円でリタイア」というブログを毎日更新されています。
YouTubeでも、FIREで検索すると、既にFIREを達成した方々がFIRE後の生活を発信されています。
- ちーのゆるFIREな日々
- ぱせいお(東大卒会計士元商社マン)のFIRE教室
- ハヤブのセミリタイアFIREチャンネル
コミュニティに所属する
先程紹介した、ひこすけさんはこの杵築市に住み、同じ杵築に住むFIRE民同士での交流をされているようです。
杵築市には、このようなFIREを実現した人のコミュニティが形成されているようです。
FIRE後は、会社というコミュニティからは離れることになってしまい、孤独な生活になってしまいがちです。
ハーバード大学が1938年から現在まで続けている調査によれば、健康で幸福な人生を送るのに必要なものは「良い人間関係」であり、最も不幸で不健康になる理由は「孤独」なんだそうです。
また、アメリカの心理学者マズローが提唱した「マズローの欲求五段階説」によれば、人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されており、その3階層目に「社会的欲求」があるそうです。
集団への帰属や愛情を求める欲求であり、「愛情と所属の欲求」あるいは「帰属の欲求」とも表現されることも。この欲求が満たされない状態が続くと孤独感や社会的不安を感じやすくなり、時には鬱状態に陥るケースもあります。
引用 : マズローの欲求5段階説とは?各欲求を満たす心理学的アプローチを用いたサービス事例【図あり】|ferret
FIRE後の生活を幸福なものとするためにも、コミュニティに所属することは重要なのでしょう。
地域のボランティアなど、仕事のような利害関係が絡みにくいコミュニティに所属しておく、などするのが良いようです。
また、今はインターネット上で、コミュニティに所属することが簡単にできるようになりました。
リアルのコミュニティに所属するのは少しハードルが高いかもしれませんが、ネット上のコミュニティであれば参加しやすいのではないかと思います。
運動する(ウォーキング等)
FIREを達成された方は健康に気を使っている方が多く、定期的に運動しているようです。
自由に生きられる時間を伸ばすために、運動は非常に大事であることが多くの研究によって示されています。
例えば、10分程度のウォーキングによって、心血管リスクを29%、ガンのリスクを11%、それぞれ低下させることができるそうです。
WHO(世界保健機関)の運動ガイドラインでは、成人は1週間に150分以上のウォーキングなどの中強度の運動を行うことを推奨しているそうです。
参考 : ウォーキングなどの運動が寿命を延ばす 中高年になってから運動をはじめても十分な効果が | ニュース | 糖尿病ネットワーク
セミリタイア後の趣味として、散歩を挙げる方も多いです。
セミリタイア生活に入って、朝の一番の楽しみは「散歩」だ。
朝食後、運動を兼ねて近所をのんびりと散歩する。
引用 : 寒い朝でも起きるのが楽しみなセミリタイア生活 - SOUTAi 40
無料で楽しい趣味を発見してしまいました。
「散歩」です。
引用 : 【セミリタイア後の趣味に最適】ただの「散歩」を楽しくする方法 - 40歳までにセミリタイアを目指すブログ
普通に定年退職する人も、やりたいことを考えておくべき
セミリタイアする人だけではなく、普通に定年で退職する人も、リタイア後に何をするのかは考えておいた方が良いそうです。
特に、男性の場合は注意が必要なんだそうです。
ダイヤモンド・オンラインの記事によると、定年に達した後に活発に活動するのは圧倒的に女性が多いそうです。
何かイベントを企画しても、来るのは大半が女性であり、男性は引きこもりがちになってしまうケースが多いといいます。
参考 : 定年後、大企業のサラリーマン男性ほど家に引きこもる根本的理由 | 自分だけは損したくない人のための投資心理学 | ダイヤモンド・オンライン
生涯現役で働き続けようと思う人以外は、いつかリタイアする時が来ます。
ですので、セミリタイアを目指している人だけではなく、全ての人が、自分のリタイア後に何をするのか、そのイメージを固めておくべきなのだろうと思います。
私自身も、リタイアする前に、何をやるべきか決めておかないと、と思っています。